手話通訳士の仕事

数年前に流行ったテレビドラマの影響で、一時期、手話がブームになりました。その頃、書店には特設コーナーが設けられ、手話に関する書籍やビデオが爆発的に売れた、との報告もあります。今まで福祉とは縁のなかった人が、福祉の世界に興味を持つ一つのきっかけになったといえるでしょう。

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聴覚障害者が暮らしやすい社会をつくるうえで、なくてはならない存在が手話通訳士という専門職です。聴覚障害者のコミュニケーション手段である手話は、言葉と同じように、地域によって異なったり、時代とともに変化したりします。また出身地や年齢によっても表現方法が微妙に異なったりします。手話通訳士は、このように変化する言葉の内容を正しく理解し、健聴者と聴覚障害者との間に立って橋渡しをするのが重要な仕事です。

手話通訳は、以前はボランティアの一環として考えられていましたが、その役割の重要性から1989年に厚生省公認の資格試験制度が始まりました。福祉の施設の中でも、特に聴覚障害者をバックアップする仕事に就きたい人たちには必須の資格が登場したのです。仕事内容は手話通訳だけでなく、聴覚障害者の各種相談や指導の仲介に入ったり、病院・役所・学校などに出かける際の付き添いなども含まれます。また地域社会での手話を必要とするボランティア活動や福祉活動に対して啓蒙的な役割を担うなど、仕事に幅があります。その分、福祉に対するより深い知識や高い技術の習得、熱意が求められます。

実際に働く現場では、純粋に手話通訳士としてではなく、手話ができる職員として扱われることが多いようです。また、ボランティアセンターに登録して、センターから来るさまざまな依頼を受ける、という形の派遣事業に携わる人も多いです。

手話通訳士の試験は、20歳以上で、手話通訳経験が3年程度以上ある人が受けられます。学科試験(一次試験)と実技試験(二次試験)の2段階で行なわれます。もし二次試験で不合格になっても、一次試験をパスしていれば、本人の申請により次の2回の一次試験が免除されます。

福祉の現状と仕事の需要

2000年に介護保険制度が導入され、今まで行政で行われていた社会福祉事業が民間事業者にも行えるようになりました。これに伴い民間でも様々な介護や福祉サービスの提供をすることが可能となりました。

医療技術の発達や医療の整備が進むにつれて国民の平均寿命は年々増加の傾向にあり、日本は世界一の長寿国家となってきています。しかしその反面、様々な問題から少子化が進むでしまっているのも事実です。高齢者の増加、少子化など介護、福祉分野のサービス提供の需要は今後非常に増えてくると予想されます。そして今、介護、福祉分野の仕事が将来性がある業種として人気を集めています。

当サイトの情報をもとに少しでも福祉の仕事がわかり介護・福祉に関する知識を深めてもらえれば幸いです。

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